パタヤに非常事態宣言

 タイ政府は11日13:00(日本時間15:00)過ぎ,反独裁民主主義同盟の親タクシーン派集団(赤色シャツ,北部出身者および低所得者層)のデモ隊が東南アジア諸国連合関連会議が開催されるホテル内に押し入ったことを受け,パタヤ地区及びチョンブリー県を対象とした非常事態宣言を発令した。

 民主主義市民連合(黄色のシャツ,旧財閥および都市住民)が,昨年11月にスワンナプーム国際空港を占拠したのは,2006年のクーデタ後の選挙で親タクシーン政党が勝ち,タクシーンの復権を阻止する流れの中で起きた。そして,親タクシンの政権は崩壊し,選挙に負けた民主党に政権が移った。
 タクシンは規制緩和を推し進め,携帯電話で大もうけ(妻子が経営する電話会社を海外の企業に売った),国有地不正取得(何代か前の王様が国に寄贈した土地?)などに都市部の人たちは怒ったようである。タクシーンは,出身地(選挙区)である北部の発展には力をいれ,農民や低所得層にはばらまきによって絶大な人気があった。選挙は,本籍地での投票になるようなので,地方から来ている大方の都市部の人たちは投票ができないのではないか。おじさんの孫はバンコク生まれであるが,タイでの出生届けは息子の嫁の実家(本籍地)のあるコラートまで出しに行ったからね。日本への出生届けは,バンコク日本大使館ですませた。
 要するに,タクシーンに対し都市部の国民は,経済の発展など政治手腕については文句はなかったようであるが,あまりにも露骨な私利私欲に怒ったのだと思う。タクシーンはこれまでも,民主党から政権を奪還するための指示を出していた。元首相が,亡命先(逃亡先,イギリスからは国外退去を受けている)から国際会議を妨害する指令を出してしまっちゃ,タクシーンの政治生命ももうおしまいだろうね。それと,空港占拠は,バンコクの市民の生活には影響がなかったが,道路封鎖はだいぶ頭に来ているようである。ネットで現地のニュースを見ているが,赤シャツと市民の小競り合いが写っているからね。
 昨日,反独裁民主主義同盟はアヌッサワリー(戦勝記念塔)付近の道路を占拠し,その一部がパタヤに流れたようである。バンコクのタクシー運転手は地方出身者が多いからから,アヌッサワリーの道路をタクシーで塞ぎ,パタヤへのデモ隊の移動に500台のタクシーが参加したというからね。
 おじさん,バンコクへ行くとアヌッサワリー付近をうろうろするんだ。記念塔の前のバス停のトイレの裏のサックスホーンというジャズの生バンドが入っているバーへも何度か行った。定年になったら,アヌッサワリーあたりのアパートを借りてしばらく学校へ行こうと思っている。