日曜日

「生活と芸術 アーツ&クラフツ展」ウィリアム・モリスから民芸まで を上野の東京都美術館へ観にいく。
会場に入ると入り口にジョン・ラスキンの教会の説教壇のスケッチが一枚あった。宮沢賢治に関心を持っている者にとっては興味深い一枚であった。
ウィリアム・モリスのものは,本を見たくて,本は三冊ほど手動凸版印刷のものと校正刷りを見てきた。食い入るように展示ケースを覗いていたので,本を読んでいるように見えただろうが,本の余白と行送りの幅,それからウィリアム・モリスの特徴である文頭の飾り文字に興味があっただけ。
それから,濱田庄司河合寛次郎の作品を見てきた。黒田何某と云う方が住んでいたと云う三国荘の二間が再現されていた。柳宗悦民芸運動家たちが集めた由緒ある民芸品がそこかしこに配置されてあり,ちと羨ましい感じであったが,実際に生活するとどうかなと云う感じだった。
棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子もあった。昔,上野の○I○Iの裏に津軽料理のお店があった。トイレに棟方志功の小さな絵がかけてあって,女将さんに聞いたら,本物だって,トイレに著名な画家の絵を置くなんてちとキザと思ったが,小さな料理屋で絵を汚さないところはトイレだったのかなと,津軽料理なのに酒は桃川だったな。(北畔と云うお店で,女将さんは棟方志功のお友達で知られていた。)
帰りは,天丼が食べたくなり浅草へ行く。手拭いと梅園で菓子を買い家に帰ってきた。

今日の新聞にようやくタイの情勢が載った。タクシーン元首相は,ついに一線を超えてしまった感じである。王様の信頼があついプレーム枢密院議長が2006年のクーデタの黒幕だと云ったことは,現政権と戦うと云うより王家と戦うと宣言したとも受け取れる。
タイには山田長政が活躍したアユタヤ王朝と現王朝(チャックリー王朝とかラッタナコーシン王朝と云う)の間にタークシン大王と云う中国系の王様がいた時代がある。暁の寺は,タークシン大王が建立した寺である。
タクシーンはタークシンになるつもりなのだろうか。IT企業のホリエモンがフジテレビの乗っ取りを企てた構図とIT企業のタクシーンは国家の乗っ取り,スケールはでかいが何か似ている感じがする。
行くところまで行くと云う感じになってきた。規制緩和とかグローバル化の行き着くところは神をも恐れず。だけれど,タイにはリセットボタンがあるから。