地図からこぼれ道を散歩・1

 バンコク観光案内地図はどの地図もおおかた同じで,メインの観光地を中心に配置してあるので,周辺部はどうしても地図から落ちこぼれてしまいます。落ちこぼれてしまったために観光客も来ない所があります。例えば,王宮周辺のページの右端辺りに「大ブランコ」と書かれている所があるのですが,その右方向が地図からこぼれています。その地図にない界隈を散歩してみましょう。
 
 出発地点は,センセーブ運河の乗合運河ボートの終点のパーンファーです。正しくはもっと長い名前のようですが,ボートの乗員に通じるのでいいのだと思います。パーンファーを忘れて民主記念塔とタイ語ですが云ってもキップをくれました。終点だから何でもイイのかもしれません。
 船を降りたら,写真のように船着場を背にするように橋を渡ります。

 バンコク市内にも山があるのです。人工の山ですが,山の上にはワット・サーケットと云うお寺があります。この道はこのお寺の裏門の通りです。

  
 このお寺の周りは小さな木工場がたくさんあります。木で彫ったタイ文字のバラ売りなどがあったりして,日本で云う指物なんて云うのもあったりしてタイ人の手の器用さに感心しながら,ブラブラと歩きます。タイでは急いで歩くことは厳禁です。タイ人は歩くことは良くないことと云って健康に良くないと信じているのですから。

  
 タイの道では,次の角に出るまでかなりの長い距離があります。トンテンカンと云う音が聞こえてきたら次の角です。道路の角っパタの野外で鉄を打つていた音です。タイの僧侶が朝の托鉢に使う鉄の鉢を造っていたのです。出会った通りはバムルン・ムアン通りです。

 右に折れた道を真っ直ぐ進めばワット・プラゲオ(エメラルド寺院)にい行き着きます。反対方向に行くとバムルン・ムアン通りはやがてラマ1世通りになりBTSのサイアム駅になります。
 道を右に折れます。古風な家並みが続きます。

 
 散歩道の一番の難所に来ました。横断歩道です。タイの道路は左折車優先ですから,歩行者は信号が青だからと云って横断歩道を渡ることはできません。猛スピードで突っ込んでくる左折車の隙をみて信号が変わる前に渡らなければなりません。
 それから,交差点や舗道にこんな看板を平気で立てます。「注意」とか「危険」と云う看板が歩行に向かって舗道にたっています。「危険」と書かれた看板がないと安全なのにと思うことに時々遭遇します。

 
 バンコクで暮らすには,超高層の歩道橋を渡るために丈夫な足腰が必要です。高速で車が走る道路を横切る勇気と機敏運動能力が必要だと思います。バンコクで少しでも暮らしてみたいという希望を実現するために,小生は65歳までの再雇用制度の利用は諦め,60歳でバンコク生活を始めたのです。